イベントマーケティングの具体的な手法やメリットとは?

昔から、セミナーや展示会といった形で、販促活動のひとつとしてメジャーなものがイベントマーケティングです。
しかし、まだ具体的に取り組んだことがない、準備不足で失敗した、という方もいらっしゃることでしょう。

この記事ではイベントマーケティングの基本から、具体的な手法とメリットについてまとめました。
イベントマーケティングを成功させたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。

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イベントマーケティングとは

イベントマーケティングとは、セミナーや展示会などのさまざまなイベントを通じて、見込み客を獲得・育成するマーケティング手法のひとつです。
オフラインでのイベントだけでなく、オンラインでのウェビナーも含まれます。
イベントマーケティングの主な目的としては、営業効率を高めた販促活動を展開することです。

しかし、販売機会の創出だけでなく、解約防止や利用頻度を高めるといった、既存のお客様へのサポートの役割も期待できます。
イベントマーケティングを効果的に展開できれば、自社の売上やブランディングの向上に大きく貢献できるため、取り組んでいる企業が多いといわれています。

イベントマーケティングの目的

イベントマーケティングの目的にはさまざまなものがあります。

例えば、

  • ・見込み客の獲得
  • ・自社ブランディングの強化
  • ・自社商品・サービスの知名度上昇
  • ・商談機会の獲得
  • ・新規顧客の獲得
  • ・既存顧客のフォロー

などのものが挙げられます。

イベントを行う際には、どのような目的を達成するためのイベントなのかをよく考える必要があります。イベントにもさまざまな形があり、何を目的とするのかによって、向いているイベントの形式は変わるからです。

例えば、見込み客の獲得であれば、スポーツイベントやコンサートなど、自社製品・サービスが中心ではなく、イベントを通じて得られる経験が主となるイベントが向いています。自社製品・サービスのサンプルや、自社のパンフレットなどをお土産で渡すことにより、自社や、自社製品・サービスの認知度を高めると同時に、自社イメージを向上させることができます。

お土産のパンフレットやサンプルのロゴを視覚的に認識することで、次回同じものを見た際に、「知っている会社だ」「あの時のイベントを主催していた会社だな」と認識される可能性が高まるので、自社製品・サービスのロゴや自社のコーポレートカラーを配布物に積極的に使うとよいでしょう。

自社ブランディングの強化であれば、自社が持つ新技術の体験会を開催することで、自社が優れた技術を持っている企業であることをユーザーに対してアピールすることができます。

新規顧客獲得、商談機会の獲得ということであれば、現在販売されている製品の体験会をし、実際にユーザーに触ってもらうことにより購買意欲を高め、一気にクロージングへ持っていくという流れが望ましいです。

このように、一口に「イベントマーケティング」と言っても、その目的もさまざまであれば、向いているイベントの形式もさまざまです。どのような目的を達成するためにイベントを行いたいのか、よく吟味する必要があります。

また、どのような目的を達成するために、どのようなイベントを行うのかを、社内や部署内で共有しておくことで、より目的は達成しやすくなります。

イベントマーケティングの手法

イベントマーケティングの概要がわかったところで、ここからは実際の方法を紹介します。

イベントマーケティングの手法としてポピュラーなのは、以下の3つです。

  • ・セミナー
  • ・展示会
  • ・イベント

それぞれ解説していきます。

セミナー

まず「セミナー」についてですが、一口にセミナーといっても以下の種類に分けられます。

  • ・自社単独で開くもの
  • ・複数社が共同で行うもの
  • ・オンラインのウェビナー

また、以下の2つに分ける考え方もあります。

  • ・セミナー自体がコンテンツになっているもの
  • ・セミナーを通して販売機会を創出するもの

自社でセミナーを開催、もしくは参加する場合は、どちらの目的に沿って展開するのかを考えたうえで行いましょう。

ウェビナー

ウェビナーとは、webとseminarをくっつけた造語です。意味はそのまま、web上のseminarなので、オンライン上での講演会、セミナーなどを指します。ウェブセミナーやオンラインセミナーなどとも呼ばれます。

ウェビナーは、聴く側にとっては、インターネット環境さえあればどこからでも視聴でき、また、カメラオフ・マイクミュートで参加できるため、対面での講演会やセミナーに比べて参加への心理的なハードルが低いと言われています。また、介護や育児、自分自身の体調不良など、何かしらの理由で対面での講演会やセミナーに参加するのが難しい人でも参加することができます。

一方主催する側は、講演会やセミナーの内容に興味関心を持っている人であれば世界中の人が相手なので、リアルでの講演会以上に多くの人に参加してもらえるようになり裾野が広がったと感じることが多いようです。

このように、ウェビナーには、聴く側、主催する側双方にメリットがあります。

ウェビナーは、新型コロナウイルスの影響を受けて多くの対面イベントが中止になった頃に、代替イベントとして急速に普及しました。ウェビナーは非常に便利だったこともあり、対面でのイベントが行われるようになってからも、人気は衰えることなく、日々多くのウェビナーが配信されています。

コロナ禍を経て対面型イベントが再開されてからは、ユーザーは対面型とオンライン型を自らの要望に応じて使い分けるようになってきました。

何かを体験するようなイベントは開催地が遠くても対面型に参加し、実際に自分自身の手で体験するのを好むのに対し、講演会や説明会など、どちらかというと話を聴くだけの、一方通行のイベントは開催地が近くてもウェビナー参加を希望する人が増えています。

また、イベントを主催する側も、対面型とウェビナーを併用することが増えてきました。例として、コンサートのチケットが購入できなかった人向けのオンライン配信チケット販売などが挙げられます。
ユーザーはオンライン配信でもいいからコンサートに参加したいと感じているため、コンサートを楽しむことができて満足度が上がります。主催側はオンライン配信分のチケット代が興行収入に上乗せできるといったメリットがあります。

同様に、ホールなどでリアルイベントとしての講演会をやりながら、壇上の様子をウェビナーで配信するということもあります。参加者にとっては、会場のホールまで足を運ばなくても講演を聞くことができるというメリットがあります。主催者側にとっては、実質的な参加者の人数が増えることで、自社や自社の製品・サービスの認知度上昇、イメージアップといった目的がより多くのユーザー相手に叶えられることとなります。

ウェビナーのメリットはオンラインで全てのやりとりが完結し、参加のハードルが低いところです。一方、せっかくのイベントでありながら一方通行になりやすく、ユーザーの反応がわかりづらいところがデメリットでもあります。

しかしながら、ウェビナーは事前に申し込んだ人に対してURLを開示していることがほとんどであり、申し込み時点である程度のユーザーに関する情報を主催側が得ているところが、単なるオンライン配信とは異なるところです。

せっかくユーザーの情報を手に入れているのですから、アフターフォローを丁寧にするなどして、更なる自社のイメージアップや後の購買活動促進につなげていきたいものです。

展示会

「展示会」はセミナー同様、古くから活用されてきた販促活動のひとつです。
ほとんどの場合、複数企業が参画して行われるものであるため、集客の負担はセミナーよりも少ない傾向があります。

一方、イベントの規模によっては多額の出店料がかかることも考慮しておきましょう。
しかし、他社の展示を見学したついでに来た、という見込み客に出会える可能性もあるため、新規顧客獲得の機会となるでしょう。

イベント

最後に「イベント」ですが、これは参加型や体験型などのイベントの開催を指します。
たとえば、新商品のデモや試食、試飲のイベントを開催することで市場調査ができます。

ほかにも、既存顧客同士が集まってロイヤルティ向上につながるコミュニティを作るイベントなど、目的に応じてさまざまな企画が立てられます。
感染症の拡大状況等によってリアルでの開催が難しい場合は、オンラインでの開催も検討してみましょう。

社会の状況や目的に応じて使い分けてみてください。

交流会(フォーラム・シンポジウム)

交流会(フォーラム・シンポジウム)は、あるテーマに対して登壇者が話し合いをしたり、意見交換をしたりする場です。参加者は、その話し合いや意見交換を聴き、後から質疑応答というかたちで登壇者と交流します。

テーマは専門的である場合もありますし、そうでない場合もあります。

例えば医薬品を扱うメーカーが、エンドユーザーではなく、栄養士や調理師といった食に関する専門家を招いて最新の栄養に関する知見を紹介したあとで、その後意見交換をするというパターンもあります。

同じメーカーが、エンドユーザーを招いて、今日から始められる食事管理について紹介したあとで質疑応答を通じて理解を深めていくというパターンもあります。

どちらのパターンも、交流会がイベントマーケティングの一環として開催される場合には、購買行動の促進というよりは、知的好奇心を満たしてくれるイベントを企画する会社=社会貢献をしている会社、として自社イメージのアップを狙う場合がほとんどです。

例えば参加者に配布する資料と一緒に自社のパンフレットを配ったり、交流会のお土産として自社製品・サービスのサンプルを配ったりすることで、視覚的にも自社や自社製品・サービスを印象づけることができます。

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イベントマーケティングのメリット

最大のメリットは、多数の顧客とコミュニケーションが取れることです。
基本的に「待つ」タイプの販促活動となるため、集客面での手間やコストはあるかもしれません。
しかし、多くの来場があれば、その分販売機会も増えるため非常に効率的と言えるでしょう。

また、わざわざ足を運んでくれるということは、興味関心度が高いことの裏返しでもあるため、優良顧客となり得る見込み客を獲得できるチャンスも多いこともメリットといえます。
オンラインでの開催の場合は参加人数や、アンケート回答等のデータ収集が容易であることもメリットです。

認知拡大やブランディングができる

イベントを行うと、自社製品・サービスの存在の認知拡大につながります。
魅力的なイベントを行ってSNSやメディアに取り上げられれば、その存在をより多くの人々に知ってもらうきっかけになるでしょう。
イベントを開催すれば、企業イメージの定着や勢いを知ってもらえます。

もちろん、企業そのものだけでなく、以下のようなものの認知にもつなげられます。

  • ・新製品
  • ・新サービス
  • ・企業のビジョンや価値観・今後の施策

イベントを開催したこと自体が、自社製品・サービスの認知度や企業ブランディングにつながるのです。

見込み顧客にアプローチできる

イベントマーケティングでは、多くの見込み顧客にアプローチできます。
イベントに参加する顧客は、自社製品・サービスを知り興味を持っている状態です。
イベントを行えば1度に多くの見込み客にアピールできるため、販促活動を効果的かつ効率的に行えます。

また、イベントでは自社製品・サービスを直接アピールできます。
見込み客と直接会話できるので、より本格的にアプローチできるのも大きなメリットです。
見込み顧客へのアプローチは効率的という点で、時間やお金のコスト削減にもなりえます。

一度に多くのユーザーと接点がもてる

イベントマーケティングを行うメリットはいろいろありますが、中でも最大のメリットが一度に多くのユーザーと接点がもてることです。

マーケティングを成功させるには、将来自社の製品・サービスを利用してくれるであろう見込み顧客を増やすことが必要です。

イベントに参加しているユーザーは、わざわざイベントに足を運んでいる時点で何かしら興味関心がある、または自社や自社サービスに対して肯定的なイメージを抱いている可能性が高いので、見込み顧客となりうるのはもちろん、将来優良顧客となる見込みがあります。

こちらから訪問するスタイルの営業では1日に接することができるのは数人にとどまりますが、イベントを開催することで一度に数十人との接点をもつことができます。しかも、その数十人が皆見込み客となる可能性を持っているわけですから、イベントマーケティングは非常に効率のいいマーケティング活動だといえます。

ただし、イベントの規模が大きくなればなるほど、ひとつひとつの顧客との接点の密度は低くなります。

体験型イベントで、自社製品の説明をしながらユーザーの声に耳を傾けるのと、自社が主催する講演会やセミナーに参加したユーザーの応対をするのとでは、前者の方が圧倒的に密な関わりであることがわかります。

参加者全員が見込み顧客となりうるという点では同じですが、見込み顧客または新規顧客となるまでの距離は、ユーザーが参加したイベントの種類によって大きく異なることも、念頭に入れておくとよいでしょう。

商品・サービスを体験してもらえる

イベントマーケティングでは、商品やサービスを直接体験してもらえる機会が提供され、顧客は製品やサービスの実際の性能や特徴を知ることができます。

また、製品に対する好感度や信頼度も高まり、購買意欲の向上が期待できます。
さらに、顧客との直接のコミュニケーションも生まれ、その場でのフィードバックから今後の改善点を見つけ出すことが可能です。

これらの効果により、商品やサービスを体験してもらえることは、販売促進やブランドイメージ向上などのマーケティング戦略の成功につながるといえます。

リードクオリフィケーションができる

リードクオリフィケーションは、自社製品・サービスに対し興味を持つ見込み客のなかから購入または契約する可能性の高い顧客を選別する行為です。
イベントに参加するには、わざわざ日程を調整したり交通費を支払って会場に足を運んだりする必要があります。
SNSで情報を検索したり、公式HPをチェックしたりするよりもよっぽど手間と時間を要する行動です。

以上から、イベントに参加する人は、自社製品・サービスに対しそれ相応の興味を抱いているのが分かります。
初めから興味を持つ顧客のみを集められるのです。

また、リードクオリフィケーション(選別)だけでなく、リードジェネレーション(獲得)やリードナーチャリング(育成)につなげることも可能です。

イベントマーケティングのデメリット

イベントマーケティングは、多くの企業が採用する集客手法のひとつです。
しかしながら、いくつかのデメリットがあることも事実です。
イベントを開催するために必要なコストや、アフターフォローにかかる手間など、様々な問題が起こりえます。

ここからは、イベントマーケティングのデメリットについて、詳しく解説していきたいと思います。

準備に時間や費用がかかる

イベントマーケティングの準備には、会場の手配、装飾や備品の用意、広告や宣伝の準備などさまざまな工程があります。
そのため、多くの時間や費用が必要となります。

また、計画通りに進まない場合や予期せぬ問題が発生した場合には、さらに追加の時間や費用が必要となることもあります。
さらに、競合他社と同じ期間にイベントを開催する場合には、他社との差別化のためにより多くの労力や費用をかける必要もあります。

これらの点から、イベントマーケティングの準備には多大なリソースが必要となるため、事前の計画と適切な予算の配分が重要となってきます。

知識が求められる

イベントマーケティングは、準備や運営に専門的な知識が求められます。
たとえば、会場や備品の選定や配列、来場者数の予測やアクティビティの企画、広告や宣伝の戦略設計など、専門的なスキルが必要となります。

また、同時に競合他社のイベントマーケティング戦略にも注意を払う必要があります。

これらの要素を十分に理解していない場合、イベントマーケティングの効果を最大化することは難しくなります。

利益は集客に左右される

イベントマーケティングは、集客力に大きく左右されます。
つまり、多くの人に来てもらえれば多くの収益が見込めますが、反対に来場者が少なければ利益も少なくなってしまいます。
このため、集客戦略が非常に重要です。

また、競合他社のイベントや同じ日時に他の大きなイベントがある場合は、来場者が集まりにくくなるため、利益の見通しが立てづらくなります。
イベントマーケティングはリスクがある分高い収益も期待できますが、実際に利益を得るためには、効果的な集客戦略を考える必要があります。

アフターフォローが必要になる

イベントマーケティングでは、イベント終了後にアフターフォローが必要になります。
アフターフォローには、来場者へのアンケート調査やフォローアップメール、SNSでの情報発信などが含まれます。
アフターフォローは、イベントを通じて集めた情報や顧客リストを有効に活用する機会でもあります。

しかし、アフターフォローを怠ると、来場者はイベントに対して興味を持ってくれなくなったり、イベントでの収益を上げることが難しくなったりする可能性があります。
また、アフターフォローには時間や人的リソースが必要になるため、その分のコストもかかってしまいます。

イベントマーケティングの流れ

イベントマーケティングの大まかな流れをご紹介します。

  • ・最初に目的を明確化させる
  • ・具体的な目標を決める
  • ・当日のオペレーションを決める
  • ・関係部署と連携する

一つ一つ見ていきましょう。

最初に目的を明確化させる

まずは、なぜそのイベントを行うのかといった目的を明確にしましょう。
イベントを企画する段階で目的を明確にしておくと、イベントマーケティングの効果を十分に発揮できます。

目的を関係者の間で正しく周知し、目的に沿ったイベント設計を行いましょう。
イベントの方針が決まることで、次に行うべき「具体的な目標選定」がより簡単になります。

具体的な目標を決める

目的を明確にしたら、次はイベント開催の目標としてさまざまな指標の具体的な数値を定めましょう。
売上やクリック率などの目標をあらかじめ定めておくと、イベント終了後にどれくらいの効果があったのかを正確に計測でき、次回の改善につなげられます。

参加者数や名刺獲得数、イベント後のフォローアップメールの開封率など、正確な数値を計測するための準備を整えておきましょう。

計画的に準備する

イベントマーケティングにおいて、計画的に準備することは非常に重要です。
まずは、イベントの目的やターゲットを明確にし、適切な会場を選定することが必要です。

また、イベントの内容やプログラム、出演者や講師、タイムスケジュールなどを決定することも大切です。
さらに、マーケティング活動に必要な広告やPR素材、プロモーションツールや備品の準備を行う必要があります。

これらを計画的に準備することで、スムーズかつ効果的にイベントを運営することができます。
また、事前に計画的に準備することによって、イベント後のアフターフォローにもつなげることができます。

当日のオペレーションを決める

どこにどのくらいスタッフが必要なのか、それぞれの担当者がどのように行動するのかを当日までにまとめておきましょう。
それを全スタッフに周知し、リハーサルを行っておくことで、当日のスムーズな進行が実現します。

さまざまな事象を想定してシミュレーションをしておくと、トラブルにも落ち着いて対応でき、より高クオリティなイベント運営が可能になります。

関係部署と連携する

イベントマーケティング後は、営業部などの関係部署と連携しフォローしましょう。
しっかりとフォローすると、顧客獲得数が大きく変わります。
外部業者に依頼し、イベントのサポートを行ってもらってもよいでしょう。

アフターフォローを行う

イベントマーケティングの流れのひとつ「アフターフォローを行う」は、イベントが終わった後の顧客とのコミュニケーションを含みます。
顧客はイベントに参加して、会社や製品に興味を持ってくれた可能性が高いため、その後のフォローアップが非常に重要です。

たとえば、イベントで配られた資料を再度送付したり、イベントで約束した内容を実行したり、アンケート調査の結果をシェアしたりすることで、顧客との信頼関係を築くことができます。
また、イベント参加者に限定した特典やサービスを提供することで、顧客のロイヤルティを高められます。

アフターフォローは、長期的な顧客関係の構築を目指す上で欠かせないプロセスとなります。

効果測定して次回に活かす

本ステップは、イベントの成果を評価することで、次回のイベントに生かすための情報を得ることが目的です。
具体的には、参加者の反応やフィードバック、販売数や見込み顧客数といった数値データを分析し、イベントの成功要因や改善点を見つけ出すことが重要です。

そうすることで、次回のイベントではより効果的かつ効率的な施策を実施することができます。
イベントマーケティングは継続的なプロセスであり、今回のイベントの反省点を次回にすぐに活かすことが求められます。

イベントマーケティングを成功させるために押さえたい6つの項目

マーケティングの一環としてイベントを行うことで、自社や自社商品・サービスをブランディングができる、見込み顧客にアプローチできる、一度に多くの見込み顧客と接することができる、商品・サービスを体験してもらえる、リードコリフィケーションができるなど、実に多くのメリットがあることがわかりました。

一方でデメリットも多くあり、入念な下準備が必要であることがわかりました。

近年、ユーザーの要望は細分化されており、誰にでも通用するマーケティング、というのはほとんどありません。どのような目的を達成したいのか、どのような人たちにアプローチしたいのか、ターゲット設定を確認し、ペルソナ像を細かく設定することで、ユーザーからの需要も汲み取りやすくなります。

イベントマーケティングを行う上で、今まで以上に入念な準備が必要になっていることは間違いありません。また、イベントを終えたら、振り返りをし、必要なフォローを入れ、効果測定をし、反省点を洗い出すことが次のイベントの成功へとつながります。

ここでは、イベントマーケティングを成功させるために押さえておきたい6つの項目についてご紹介します。

目的・目標・ターゲットの明確化

イベントを成功させるには、目的・目標を明確にします。イベントにはさまざまな種類が存在し、目的に合わせて最適な方法を選ぶことが大切です。

「誰に何を伝えたいのか」「イベントを何の目的で開催するのか」など、あらかじめ目的・目標を明確にしておくことで企画作成が進みやすくなります。

例えば、「イベントを通じて沢山の人に購入してほしい」なら、体験・参加型のイベントを行います。試供品やサンプルをプレゼントして、より身近に感じて貰う方法も有効的です。「自社製品やサービスの認知度を高めたい」なら、規模の大きいイベントを開催したり発表会形式にしたりするのも1つの方法です。

また、イベントマーケティングを成功させるにはターゲットの明確化も必要になります。目的・目標を達成するにはどの層をターゲットにするべきか、自社製品・サービスに最も向いている層を判断するなど、具体的にターゲットを絞っておくのが重要です。

例えば、ファミリー層をターゲットにするなら、子どもも楽しめるイベントを開催します。子どもが遊べるスペースを設けたり、家族全員で参加できる出し物を企画するのもよいでしょう。設定したターゲット層に合わせて、企画作成・イベント会場の確保を行います。

イベントの目的・目標・ターゲットの明確化を行うと、イベントの方向性が定まります。事前準備や企画作成も進めやすくなるので、なるべく早い段階で設定しておくことが大切です。

事前準備

イベントマーケティングを成功させるためには、事前準備が非常に重要です。

まずは、イベントの目的を明確にし、どのようなターゲットに向けて実施するのかを決めます。
そのうえで、会場や設備、セッションの準備などの運営面の準備を行い、スムーズなイベントの進行を確保します。

また、アピール用の広告やPR戦略も重要であり、SNSやメールマガジンを活用して多くの参加者を集めます。
さらに、イベント当日のスケジュールや参加者への案内なども事前に準備しておくことがポイントです。

適切な事前準備によって、参加者はスムーズにイベントに参加でき、満足度も高いものになるでしょう。

オペレーション設計

事前準備が全て完了したら、オペレーション設計に入ります。イベント当日の流れやスケジュール調整、会場の確保、スタッフの人数の決定・配置などを設定します。イベント当日の流れやスケジュールを、細かく確認・調整していくことが大切です。

また、オペレーション設計の段階では事前リハーサルも行います。イベント当日を想定して、流れを確認する形です。事前準備の段階では分からなかった課題が見えてきます。

課題を発見し改善すれば、更に質の高いイベントを開催できます。イベント当日のトラブルを防ぐには、事前リハーサルでとことん最終チェックを行うことが大切です。

イベント後のフォロー

イベント終了後は、アフターフォローを行うことが大切です。目的・目標を達成するためには、顧客に対し早め早めのフォローが必要になります。

イベントに参加した顧客のうち、見込み客に順番を付けて高い順にアプローチします。自社製品・サービスに興味を持っている顧客には、早々にスケジュールを調整したり、商談の準備に入ったりするのも有効的です。イベント当日から期間を空けずに、早めに行動することが重要です。

時間と手間をかけて成功させたイベントも、アフターフォローが不十分では思ったような成果が得られません。イベントのアフターフォローの流れをまとめたり、営業職との情報を共有したりなどあらかじめ準備しておく必要があります。

効果測定と改善の実施

最後には、イベントの効果を測定し、次回に向けた改善点をだします。
効果測定は、アンケートや定量調査によって実施します。

イベントの効果測定の項目の例は、以下の通りです。

  • ・参加者数
  • ・名刺獲得数
  • ・案件件数
  • ・受注件数
  • ・イベント後のフォローアップメールの開封率
  • ・メディアへの露出度

以上の項目の数値を測定し、今回のイベントの効果を数値化した状態で確認します。
効果測定を活かして、次回イベントをより良くするための改善点、対策方法を検討する流れです。

ここでは、以下の3パターンに分けて見ていきましょう。

  • ・開催前のアンケート
  • ・開催後のアンケート
  • ・参加人数の計測

それぞれ解説していきます。

開催前のアンケート

イベントマーケティングを成功させるためには、開催前にアンケートを実施することが重要です。
このアンケートは、イベントの目的をクリアにし、参加者のニーズや要望を把握することができます。

そのため、準備段階でのムダな時間を省き、多くの参加者に満足してもらえるようなイベントが実施できます。
また、アンケート結果を参考にイベント内容を改善することで、次回以降のイベントにも活かすことができます。

開催前のアンケートは、イベントの成功に不可欠な重要なツールのひとつです。

開催後のアンケート

イベントマーケティングを成功させるためには、開催後にアンケートを実施し、参加者からのフィードバックを収集することも重要です。
このアンケートは、イベントの成功要因や課題点を把握するために役立ちます。

具体的には、参加者の満足度や改善点、アンケートから得られたデータをもとに、次回のイベント改善に活用することができます。
また、参加者からのフィードバックを公表したり、次回の参加者に向けた参考資料として活用したりすることもできます。

開催後のアンケートは、次回のイベントの改善につながるため、積極的に実施していくことが重要です。

参加人数の計測

効果測定と改善の実施のポイントのひとつとして、参加人数の計測が挙げられます。
イベントの主催者は、参加者数の正確なデータを収集することで、イベントの効果を評価・計測できます。

具体的には、前回と比較した参加者数の増減、ターゲットの予測と実績の比較などがあります。
また、参加者数が不足していた場合は、来場者にとって理由がある可能性が高いため、次回のイベントの改善点を見つけることができます。

参加者数を正確に計測するためには、受付の方法の改善や、QRコードなどを利用した自動入退場のシステムの導入が考えられます。
計数器を使った手動の計測もありますが、誤差が起こる可能性があるため注意が必要です。

KGIとKPI

イベントマーケティングを行う際に、目標を立てること、効果測定を行うことが大切であることはここまで述べた通りです。

ここで、KGIという考え方と、KPIという考え方をご紹介します。

KGIとは、「Key Goal Indicator」の略です。日本語に直すと重要目標達成指標となり、最終的なゴールを定めたものです。KGIは関係者全員で共有するものなので、客観的な数値で定める必要があります。「売上高」「利益率」「来客数」「成約数」などがKGIとして設定されることが多いです。KGIを設定することで、そのチームが何を目指しているのかが明確になり、努力の方向性が定めやすくなります。

一方のKPIとは、「Key Performance Indicator」の略であり、日本語に直すと重要業績評価指標となります。イメージとしては、長期的な目標としてKGIがあり、KGI達成のための短期的、中期的目標としてKPIがあります。

KGIは結果を評価するのに対し、KPIは過程を評価します。KPIが定まっていないと、KGI達成のためにどのように動けばいいのかがわかりません。

そのため、KPIはKGIよりも更に具体的に設定しなくてはならず、「量」「質」「コスト」といった数値を日々計測して、達成状況を把握する必要があります。また、ひとつのKGIを達成するために、複数のKPIが設定されることがほとんどです。

具体的な例で見てみましょう。

あるスーパーの年間売上を10%増やす、というKGIが設定されたとします。
このKGIを達成するために、

  • ・ ポイントカードのポイントアップデーを作る
  • ・メルマガ登録者向けにクーポンを配布する
  • ・ホームページ上にチラシを載せる
  • ・2 点購入すると〇〇円の企画を増やし客単価をあげる

などのKPIを設定します。

また、更に「ポイントカードのポイントアップデーを作る」というKPI達成のために、「曜日別来店状況を把握する」「曜日別売上状況を把握する」「ポイントカード作成キャンペーンを打つ」などのKPIが立てられます。

また、「2点購入すると〇〇円の企画を増やし客単価をあげる」というKPI達成のために、「複数買いしやすい商品のバリエーションを増やす」「お得さがわかりやすいPOPを作る」などのKPIが出てきます。

KPIを設定する時には、「KGIを達成するために必要なことを整理する」、「現実的に達成できる数値に落とし込む」、「KPI達成のための体制や仕組みを整える」、「定期的にKPIの達成状況を確認する仕組みを整える」の4つを念頭に置いて考えると良いでしょう。

あくまでもKGI達成のためのKPIなので、達成状況を定期的に確認しなくては、進捗状況もわかりません。

KGIは上層部から降りてくることが多いですが、KPIはそのKGI達成を任された各部署において、KGI達成から逆算して設定していくことが多いです。社全体のKGIから逆算して設定したある部署のKGIが、別の部署のKPIと同じ、ということも多々あります。それぞれの部署で達成すべきことが異なるのですから、きちんと自社の強み・弱みを検討して決めた部署としてのKGIならば、それで構いません。

KGIを設定することで、会社全体や部署全体の目標が明確になります。また、チームの団結力が高まったり、個人個人の課題が明確になったり、モチベーションが高まったりといったメリットもあります。

一方、現実を見ずにただ闇雲にKGIを設定しても達成不可能なKPIばかりが出てくることになり、チームが疲弊してしまいます。

まずは自社、自部署の置かれている状況を正確に把握するところから始めていきましょう。

イベントの種類と特徴

ベントの目的・目標・ターゲットの明確化を行ったら、事前準備をします。
イベントの種類を選んだり、ターゲット層に合わせた企画内容・集客方法を設定すると良いでしょう。

イベントの種類は、大きく7つに分類されます。

  • ・商品のPRイベント
  • ・セミナー・講演会
  • ・周年記念パーティー
  • ・スポーツイベント
  • ・祭り・自治体主催イベント
  • ・団体・企業の大会やプロモーションイベント
  • ・学園祭・サークルや団体の発表会

たとえば、企業向けに自社製品・サービスをアピールしたいなら商品のPRイベントやセミナー・講演会がおすすめです。
実際に体験して良さを知ってほしいまたは口コミを広げてほしいなら、スポーツイベントやプロモーションイベントなどが考えられます。

イベントの種類を決定すると、ターゲット層に合った企画内容を設定します。
若者をターゲット層にすると、映えスポットを設定したり参加型イベントを行うのも良いです。
多くの人が参加できるように、広いスペースを確保します。

雨天時にも決行できるように、屋内施設を選ぶのも有効です。
イベント参加者を募るには、集客方法が鍵を握ります。

また、集客方法は、以下の2種類に分けられます。

  • ・オンライン広告:SNS・メルマガ・WEBサイトなど
  • ・オフライン広告:紙のダイレクトメール・テレアポ・チラシのポスティングなど

若者層を狙うなら、SNSやWEBサイトの広告がおすすめです。
参加者にSNS上で口コミを書いてもらえば、さらに多くの集客も見込めます。
地域密着の場合は、紙のダイレクトメールやチラシのポスティングなどが有効的です。

イベントのスケジュールを組み立てる際のポイント

イベントを円滑に行うためには、開催までの流れと準備にかかる時間を把握しておく必要があります。こちらの記事では、イベントの企画~開催までの流れを詳しく解説しています。
余裕をもって十分な準備を行うためにも、ぜひ参考にしてください。

イベントの企画~開催までの流れとスケジュール感教えます

イベントを通してターゲットに直接アプローチしたいなら

イベントマーケティングは効率的な販促活動に繋がることがわかりました。
多数の顧客へリーチできる機会となるため、販売機会の創出、売上アップ、ブランディング、解約防止など、さまざまな利点が考えられます。

他にも幼稚園・保育園イベント幼稚園・保育園モニタリングを行っているのでぜひご覧ください。

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