マーケティングはどの業界でも必要とされ、スポーツメーカーも例外ではありません。特に、スポーツとビジネスを掛け合わせた「スポーツマーケティング」に注目が集まっています。
しかし、具体的な方法がわからず、実践に至っていないケースも見られます。
本記事では、マーケティングに取り組みたいスポーツメーカー担当者に向けて、スポーツマーケティングの基本から具体的な手法、メリットまで詳しく解説します。
この記事を読むことで、自社に適したマーケティングの実践方法が理解できるようになります。
スポーツメーカーが検討すべき方法の一つに「スポーツマーケティング」があります。
これは、スポーツに関連する要素を活用して製品やサービスを訴求する手法です。
スポーツマーケティングは古くから行われてきましたが、メディアが限られていた時代と比べ、現在はSNSや動画配信サービスの登場により、スポーツの魅力をより伝えやすくなっています。
このように、企業はスポーツを通じて多様な形で消費者と接点を持てる時代になりました。スポーツの魅力や選手の持つイメージを活かし、多くの企業がスポーツマーケティングに取り組んでいます。
スポーツマーケティングが注目される背景には、スポーツが強い感情移入をもたらすコンテンツであることがあります。
好きなスポーツの試合を見て感動したり、勇気をもらったりしたことがある方もいるでしょう。オリンピックやワールドカップなどの国際大会を楽しみにしている方も多いはずです。
このように、スポーツは多くの人々を引きつけるため、企業もマーケティングに積極的に活用しています。
代表例としては、試合中継の合間に流れるCMや企業スポンサー活動が挙げられます。
「また、スポーツは観戦するだけでなく、自ら参加して楽しむこともできます。実際にオリンピックやワールドカップ、漫画やアニメの影響でスポーツを始める方も少なくありません。
そのため、スポーツ用品業界でもスポーツマーケティングが注目されている状況です。
スポーツは多くの消費者に感動や憧れを与える存在であり、ビジネス面でも活用しやすい特性を持っています。
コロナ禍を機に健康維持を目的としてスポーツに取り組む人が増え、スポーツ業界への注目は一層高まっています。このような背景から、多くの企業が積極的にスポーツマーケティングへ投資しています。
スポーツマーケティングの方法は、大きく分けて「スポーツそのものを活用する方法」と「手法としてスポーツを活用する方法」の2種類です。
それぞれどのような特徴と違いがあるのか解説します。
スポーツそのものを活用する方法とは、スポーツの宣伝や認知度向上を目的としたマーケティングです。スポーツと関係のある企業や団体などが行うもので、試合チケットやグッズの売上を向上させることを目的としています。
新規顧客を増やすためには、既存顧客へのアプローチとは異なるマーケティングを実施しなければなりません。そのため、そのスポーツや選手を知らない人にも関心を持ってもらえるよう、漫画やアニメ、アパレルブランドとのコラボも行われています。
他にも、イベントでのグッズ販売や選手とファンの交流会など、さまざまな方法でスポーツマーケティングを行えます。
手法としてスポーツを活用する方法とは、企業が商品やサービスのマーケティングを行う際にスポーツを利用することをいいます。
たとえば、スポーツチームや団体のスポンサーとなり、選手の活躍によって自社のマーケティングにつなげるような活動のことを指します。
スポーツ選手やチームのユニフォームなどに、企業のロゴが入っているのを見たことがある方も多いでしょう。また、球技場に企業名を表示する形で宣伝を行う方法もあります。
これにより、そのスポーツに関心を持ち観戦している観客に認知されることを目的としています。企業の認知度やブランドイメージが向上することは、企業収益の向上にもつながります。
他にも、人気のプロスポーツ選手と自社のコラボグッズを販売したり、各種広告に選手を起用したりする方法が代表的です。
近年は、スポーツと関連付けたSNSキャンペーンを展開して認知度の向上につなげている企業も増えています。
自社で開発した商品やサービスそのものだけではなく、コラボするスポーツや選手の魅力、スポーツを通じて得られる楽しさなどを組み合わせて宣伝できるのが特徴です。
スポーツメーカーのマーケティングは、「手法としてスポーツを活用する方法」に該当します。自社製品をただ宣伝するだけではなく、スポーツ選手の好感度や、スポーツ自体の感動や共感を広告活動に役立てる形です。
たとえば、人気スポーツ選手をCMに起用したり、その選手が「この商品を使っている」と宣伝することで一気に注目が集まり、大幅な売上増加につながるケースもあります。
また、自社のターゲット層が興味を持ちやすいスポーツを選び、そのスポンサーとなることで認知度向上につなげる方法などもあります。
マーケティングといえば費用とコストがかかるため、自社で実施すべきか悩んでいるケースもあるのではないでしょうか。そこで、スポーツメーカーがマーケティングを行うことによって得られるメリットについて解説します。
特に大きなメリットは以下の5つです。
スポーツ選手やチームを支える存在としてスポンサーとなったり、商品を提供したりすれば、そのファンから好意的に受け止められるようになります。
また、スポーツにはたくさんの人をひきつける魅力があることから、そのスポーツが持つ魅力と自社のブランドを結びつけることで、ブランド自体に好印象を持ってもらえるようになるでしょう。
スポーツは幅広い層への訴求力があり、この力を活用することによって幅広いユーザーにアプローチできるのも大きなメリットです。
大会や試合のスポンサーとなったり、広告を出したりすれば、その大会・試合に参加している人や現地で観戦する人だけではなく、テレビで見ている人にまで幅広くアプローチできます。
スポーツの中には国際的に行われているものも多いため、国境を越えて国外市場への認知拡大にもスポーツマーケティングは有効です。
たとえば、国際大会や海外リーグのスポンサーとなったり、世界的に見て活躍している選手と契約を結ぶのもよいでしょう。
人気選手と契約し、その選手が活躍すればさらなる宣伝効果が期待できます。
国際的に精力的に活動していることをアピールすれば、他社との差別化にもつながるはずです。
力を入れてマーケティングしたい国がある場合は、その国で愛されているスポーツを調べ、関連するマーケティングに取り組んでいきましょう。
スポーツは、実際に始まってみなければ結果がわからない予測不能な側面があります。だからこそ多くの観客やファンが熱中し、心を動かす存在といえるでしょう。
かつて、スポーツのスポンサーといえば広告枠の購入といった意味合いもありましたが、近年はチームのファンと一緒になってチームや選手を盛り上げる存在としての役割を持っています。
ファンからすれば自分の大切なチームや選手を支えてくれている存在として認識されるため、ファンとの感情的な一体感を築ける点も大きなメリットとなります。
スポーツマーケティングを行う大きな目的は、売上増加です。実際に実施すれば、商品やサービスの売上増加が期待できます。
ジムや選手のスポンサーとなることでメーカーの露出が増え、商品の認知度も向上するでしょう。
「大好きな選手と同じスポーツ用品を使いたい」と考えるファンは多く、それだけで購買意欲が刺激されます。
自分がプレーしなくても、応援する選手と同じ商品を購入する消費者も少なくありません。
他にも、イベントやコラボキャンペーンなどを通じてこれまで自社の商品やサービスと直接的な関わり合いがなかった方にもアプローチできれば、新規顧客獲得にもつながります。
スポーツマーケティングを実践することで、自社のブランド強化と販売促進の両方が同時に行えるのは大きなメリットです。
スポーツメーカーが効果的な形でマーケティング戦略に取り組んでいくためには、いくつかの方法があります。
まず、ブランド戦略です。自社ブランドの信頼性を高めるためのマーケティングのことであり、自社ブランドを確立するために、他社との差別化やブランドコンセプトの具体化に取り組みましょう。
ターゲットを明確にし、そのターゲットに向けたブランドの訴求方法を検討・実行していくことも重要です。
その際、選定すべきターゲットを誤らないように注意しなければなりません。
次に、プロモーション戦略にも取り組みましょう。プロモーション戦略にはいくつかの方法があり、各種広告、顧客に直接的な購買を促す販売促進(セールスプロモーション)、対面販売、広報活動が代表的です。
さらに注目したいものとして、サンプリングの実施が挙げられます。
特に、小さな子どもや子育て世帯をターゲットとする場合は、園サンプリングを活用してみましょう。
園サンプリングとは、幼稚園・保育園・認定こども園で実施するプロモーション方法です。協力を得た園が園児にサンプリングを行い、親へと渡される形となっています。
これらの方法を組み合わせることで、より効果的にマーケティング戦略を実行できます。
スポーツメーカーが実践できるマーケティングにはさまざまな方法があります。ただし、成功を収めるためには、適切な形でマーケティングを実施することが重要です。
そこで、スポーツメーカーがマーケティングを成功させるために押さえておきたいポイントを6つ紹介します。可能な施策は積極的に実践することが重要です。
マーケティングの中でもコラボは非常に人気があり、多くのスポーツメーカーもコラボを活用したマーケティングを実施しています。
コラボを行う場合、注意しなければならないのがブランドイメージに合わせたコラボ先を選ぶということです。「とにかく有名な作品」「効果がありそうなところ」と考えて選んでしまうと、自社ブランドのイメージと全く合わないコラボ先を選んでしまう恐れがあります。
まずはブランドが持っているイメージや価値観、方向性などを考え、それらと合致するコラボ先を選ばなければなりません。
たとえば、40代、50代をメインターゲットとしているブランドで若い世代に人気のコラボ先を選んでも、期待する効果は得られないでしょう。
ブランドイメージに合ったコラボ先を選択することで、それぞれが持つ相乗効果により魅力的な宣伝ができるようになります。ブランドイメージと自社のターゲット層に適したコラボ先を選ぶことが大切です。
マーケティング成功のためには、共感を生むストーリーテリングを作成することが欠かせません。ストーリーテリングとは、直訳すると「物語を語ること」であり、ビジネスにストーリーを持たせることを指します。
その商品やサービスがいかに素晴らしいのかを解説するだけではなく、商品やサービスが持つ物語を添えることでイメージが伝わりやすくなったり、共感度がアップしたりします。
また、そのストーリーテリングが魅力的であれば、より強く心に残るでしょう。
たとえば「このランニングシューズはとても軽量です」と伝えるだけでは、商品の魅力が見えてきません。一方、そのシューズを開発するきっかけとなった選手の一言や、試作を重ねる中で起こったこと、完成した商品を使った選手の変化などをストーリー仕立てで伝えられれば、より魅力的に感じられます。
特に、人気チームや人気選手と関連性のあるストーリーテリングを作成できれば、そのチーム・選手を支えてくれているメーカーとして認知されるようになるはずです。
それから、キャッチコピーのような短いストーリーはSNSや広告にも活用しやすいので、商品・サービスのイメージをわかりやすく伝えるためにも取り入れてみてはいかがでしょうか。
新商品の発表会や、スポーツを体験するためのイベントを開催することで、製品の魅力をより実感してもらいやすくなります。
スポーツメーカーが開発する商品の多くは、実際に使用してみなければその魅力がわかりにくい部分もあるため、非常に効果的です。
一般的な広告や宣伝だけでは伝えるのが難しい部分をイベントを通して体験してもらいましょう。
その際、スポーツ選手を招いたトークショーや実演イベントを実施するのも効果的です。
イベントに関するハッシュタグを活用し、SNSでイベントの来場者や興味がある人に情報を拡散してもらうのもよいでしょう。話題性が高まります。
ただし、段取りが悪かったり、運営に問題があり評価が下がるイベントを開催した場合は、それがSNSで拡散されてしまう恐れもあるため、注意が必要です。
スポーツメーカーがマーケティングを成功させるためには、宣伝活動が欠かせません。テレビCMや雑誌広告などのほか、イベントを開催する場合と同様にSNSを活用した宣伝活動に力を入れましょう。
また、近年はユーチューブを活用して宣伝活動を行うメーカーも増えてきました。
大切なのは、自社の商品をより魅力的に見せられる方法で宣伝を行うということです。中でもSNSはリアルタイムでの情報発信・収集に役立つ方法ということもあり、多くの方が活用しています。
情報の拡散速度が速いため、魅力的な情報を発信すれば拡散が期待できます。
マーケティングはただ実施すれば効果が得られるものではなく、データの収集と分析を行い、適切な形で実施していくことが重要です。
イベントを開催した場合は来場者の年齢層や性別などをしっかりデータ収集し、分析していきましょう。
仮に期待した反応が得られなかった場合でも、分析結果から次回に向けた改善点が明確になります。また、データ収集・分析を行うことで特定の世代や地域で商品の売り上げが伸びていることがわかった場合、新たなプロモーションを展開してさらに売り上げを伸ばすことも可能です。
SNSでの反応や口コミを分析すれば、製品の改良や新商品の開発に活かすこともできるでしょう。
どれだけ効果的なスポーツマーケティングであったとしても、一度実施するだけで継続した効果を期待することはできません。一時的なブームで知名度が急激にアップしたとしても、継続してマーケティングを行わずにいると、徐々に消費者の関心が薄れる恐れがあります。
そのため、マーケティング活動は継続して行うことが重要です。
長期目標を設定しておくことが重要です。具体的な数字を用いた長期目標を立てておくと、それがどの程度達成できているのか定期的に確認・判断しやすくなります。
その長期目標を達成するための中期的な戦略と短期的な施策を策定しながらPDCAサイクルを回して取り組んでいくと効果的です。
スポーツメーカーに向いているマーケティングについて紹介しました。マーケティングはただの製品宣伝ではなく、消費者によりわかりやすく情報を伝えたり、関係性を築いたりするためにも重要なものです。
スポーツが持つ力を活用し、マーケティングに取り組んでいきましょう。
特に、小さな子どもや子育て世帯を対象としたマーケティングを検討している場合には、株式会社エンジンのPeeKaBooを活用できます。
全国47都道府県どこでも、先生や園児を対象にモニタリングも行えます。
他にも幼稚園・保育園イベントや幼稚園・保育園モニタリングを行っているのでぜひご覧ください。
株式会社エンジン
代表取締役 常盤 亮太
世の中の原動力となるような会社にしたい。
その想いから社名を「エンジン」と名付けました。
また、人と人の縁を大切にし、仁義を重んじること。
そして、円陣が組めるくらい、そんな人間の集団を創っていくこと。
そんな想いも込めています。
当社では、企業=人という考え方が根底にあります。
世の中の原動力となるような会社は当然ですが素晴らしい企業であり、
素晴らしい企業であれば、素晴らしい人間の集団であると思っています。