ママ市場のニーズを徹底解説

「ママ市場」が大きな注目を集めています。ファミリー層の購買活動においては「ママ(妻)」の影響力が大きく、かつ市場規模もある程度大きいためです。
この記事では、なぜ「ママ」が注目を集めているのか、「ママ」を対象にマーケティングを行う時のポイントは何か解説します。ママ市場のニーズをしっかりと掴み、購買活動につなげていきましょう。

マーケティングにおいてなぜ「ママ」が重要なのか

ファミリー層でのマーケティングにおいて、「ママ(妻)」は重要だとされています。それは、ファミリー層に置ける購入意思決定権がママ(妻)にあることが多いためです。

複数の調査で家庭で使う商品や育児用品で何を買うか決めているのはママ(妻)が約8割という結果が出ています。若い世代になるほど、「夫婦で相談する」割合も増えますが、特に生活用品についてはママ(妻)が決定権を持つことが多いようです。

日本ではまだまだ家事分担が進んでおらず、たとえ共働きであっても家事は女性が多く負担していることが多いのが現状です。そのため、生活用品や育児用品も実際に使う機会は圧倒的にママ(妻)であることが多く、ママの意見が優先されるのだと考えられます。

購入意思決定権を持つママにどう訴求するか、どうママの心を掴むかということが、マーケティングの成功の鍵を握っているのです。

ママ市場でヒットした人気商品を紹介

コロナ禍を経てママ市場はどう変化したか

コロナ禍では、特に飲食店を中心に休業が続きました。また、リモートワークが増えるなど、コロナ禍の影響で働き方が変化し、家計にも大きな影響がありました。その中で、ママたちのお金に対する意識にも変化が現れました。

具体的には以下の通りです。

  • ・収入に対する不安から、コストパフォーマンスをより意識するようになった
  • ・ポイント運用(ポイ活)をするようになった
  • ・ネット通販の利用が増えた
  • ・自宅での時間を充実させるアイテムの購入が増えた

コストパフォーマンスを意識した買い物をしたり、断捨離の影響などから持つものの数を減らしたりと、出費に厳しい一方で、必要であれば高額な調理家電なども購入する傾向にあります。

「必要かどうか」「それを持つことでどれだけのメリットがあるか」が大きな鍵を握っていることがわかります。

ママインフルエンサーとは

「ママインフルエンサー」を聞いたことがあるでしょうか。ママ世代の、SNSなどを通じて情報発信し、多くの人を動かす人です。「インフルエンサー」の語源は「influence(影響)」で、「影響する人」という意味です。
ママインフルエンサーは、子育てをしながら、生活環境をきれいに整えていたり、手の込んだ料理を作っていたり、おしゃれやメイクにも気を遣っていたりといった様子を発信している方が多いです。そんな様子に好感を持ったり、憧れを抱いたりしている同世代の方や、同じく「ママ」の立場の方が多いです。そのため、ママインフルエンサーが発信する情報に対しては、企業がPRとして発信する情報よりも、高い信頼感・説得力を持ってママたちに届くことが多いです。

また、ママインフルエンサーは子育て中の悩みや子どもの微笑ましいエピソードを発信することも多いです。そういったエピソードには「わかるわかる!」「こういうことで悩んでいるの、私だけじゃなかったんだ!」と共感を得るものが多いです。

昨今は少子化が進み、自分自身の出産まで赤ちゃんに触れたことがなかったというママや、育児について気軽に相談できる人もあまりいないというママが増えています。そんなママにとって育児は初めての連続な上に、明確な正解もありません。ママインフルエンサーは、そんなママたちにとって共感を得られたり、勇気をもらえたりと心強い存在でもあります。

ママ向けマーケティングの4つ の特長

ママ向けにマーケティングをすることには、3つの特徴があります。どれも企業側にとってはメリットになる特徴ばかりです。

家庭の決定権者に訴求できる

まず、家庭の決定権者に訴求できることです。ファミリー層において、特に生活用品や育児用品などは、ママが決定権を持っていることが多いのは先にも述べた通りです。
ママ向けにマーケティングを行うことによって、決定権を持つ本人に直接訴求できるというメリットがあります。

情報拡散してもらいやすい

次のメリットは、情報拡散してもらいやすいことです。
ママに限らず、女性は男性に比べてオンライン・オフライン問わず情報交換、情報共有を盛んに行う傾向が見られます。また、昨今はSNSを活用するママも増えているので、SNSで話題になった商品を購入したり、自分自身が購入してよかったと思う商品をSNSで紹介したり、ということも増えています。

情報交換に重きを置く、かつ決定権を持つママ向けにマーケティングすることで、良い商品やサービスに対する口コミが広がりやすくなります。良い口コミが広がればママ層での購入が広がるだけでなく、ママ層の上下の世代へも情報が拡散されていくので、大きなビジネスチャンスとなります。

長期顧客化しやすい

ママは生活用品や育児用品を選ぶ際、「信頼できるメーカー・ブランドのものかどうか」を重視する傾向にあります。そのため、一度ママに選ばれることに成功すれば、そのママが商品をリピート買いし、長期顧客化する可能性が高いです。

ママが長期顧客となることで、継続的な収益につながりますし、前述のように口コミや紹介などで収益の拡大にもつながります。

ママ向けマーケティングの戦略立案時に重視したいポイント

ママ向けマーケティングの戦略を考える際に、重視したいポイントを3つご紹介します。

マーケットリサーチ&インサイト

マーケットリサーチとは、市場調査のことです。適切にマーケットリサーチを行うことで、データに基づいた事業展開ができたり、事業展開におけるリスクを低減できたりするなどのメリットがあります。マーケットリサーチの手法には、年齢、性別、職業などの属性ごとに分けたグループや個人にインタビューし、本音や潜在的なニーズを聞き出す定性調査、自社が求める情報をもつ顧客や見込み客に対してアンケートを実施し、統計をとる定量調査、政府や教育機関をはじめとする公的機関がインターネット上に公開している情報を収集するオープンデータ調査、第三者が顧客を装い、商品を購入したりサービスを利用したりして情報を集める覆面調査などがあります。

インサイトは、心の奥底に隠れている価値観や信念のことです。消費者インサイトを探ることで、企業は消費者の真のニーズを把握することができ、より効果的な購買活動に繋げることができます。

アンケートや座談会などでママの忌憚ない意見を収集することで、本音やニーズを知ることができ、インサイトの把握も可能になります。また、収集した生きたママたちの声を商品企画などに生かすことも可能です。

ママたちが何を求めているのかを正確に把握することが、ママ向けマーケティング成功への近道です。

ママ特有のニーズの発掘と解決策の提示

ママたちが日常生活で直面する課題やニーズを掘り出し、その解決策を提示することで、ママからの信頼を集めることができます。

具体的な例として、以下の表のようなことが考えられます。

悩み 潜在ニーズ 解決策
いつも時間に追われている 時短につながるものを活用し、うまく家事・育児・仕事を両立したい ホットクックなどの調理家電の利用

ネットスーパーの活用

家事代行サービスの活用

子どもとどこへ行ったらいいかわからない 子どもの成長に寄与するようなイベントに参加したり、旅行に行ったりしたい イベント告知サイトの紹介

子連れ旅行サイトの紹介

美術館周遊チケットの紹介

悩みに共感してくれる人が欲しい

 

他のママや子育て経験者とつながって悩みを共有したい 親子参加イベントの紹介

子育て広場の紹介

育児支援アプリの紹介

実際に生活が楽になった、気持ちがすっきりした、という経験が、ママからの信頼を生みます。

子ども の年齢別にターゲティングを行う

つい忘れがちですが、一口に「ママ」と言っても、子どもの年齢によってママの家庭での役割も、育児に関する悩みも異なります。幼稚園児のママでは生活習慣を身につけさせることや、子どもの発達が気になるでしょうし、高校生のママでは子どもの進路や教育費の問題が現実のものとして迫ってきていることでしょう。この点を見逃し、ママの年齢だけでターゲティングしてしまうと、実態とずれてしまいます。

ターゲティングを行う際には、ママの年齢ではなく、子どもの年齢で分けるようにしましょう。

マーケティングプロセスの基本

ここでは、マーケティングを行う際のプロセスの基本をご紹介します。

市場調査

マーケティングの戦略を考える上で、重要なのが市場調査です。
業界の内外を問わず何が流行しているのかといった市場概況をはじめ、自社が他社に勝っているポイントはどこなのか、今市場で求められるものは何かなどを、適切に情報収集し、分析することで、トレンドに乗った商品開発へとつなげます。

市場調査の際によく使われる分析手法は以下の通りです。

  • ・SWOT分析
  • ・PEST分析
  • ・3C分析

セグメンテーション

セグメンテーションとは、市場調査で得た情報をもとに、情報を細かくグループ分けすることを指します。市場内の消費者を、価値観やニーズ・年齢・性別・職業などのさまざまな要素でグループ分けすることで、自社のビジネスに適した市場はどこなのか、見つけやすくなります。

ターゲティング

自社のビジネス展開に向いている市場がどこかがわかったら、ターゲティングに移ります。先ほどグループ分けした市場のうち、どの層を狙うか、対象を絞ります。

以下の6つの指標を意識すると、ターゲティングしやすくなります。

  • ・Realistic Scale(市場規模):市場の経済規模(売り上げや利益確保の可否)を示す指標
  • ・Rate of growth(成長性):市場の成長性を示す指標
  • ・Rival(競合):競合他社・サービス・商品の量を判断する指標
  • ・Rank(優先順位):ユーザーにとってのサービス・商品の優先順位をはかる指標
  • ・Reach(到達可能性):ターゲットに、プロモーションや商品、サービスを実際に届けられるかを判断する指標
  • ・Response(測定可能性):アプローチ効果の測定可否を判断する指標

ポジショニング

ポジショニングとは、ターゲットにサービス・商品の魅力を認知させるための活動を指します。市場におけるサービス・商品の立ち位置を定めることでもあります。
セグメンテーション、ターゲティング、ポジショニングの3つを合わせてSTP分析を呼びます。

マーケティングミックス

マーケティングミックスとは、ユーザーの購買行動に結びつけるために戦略・ツール・手法を組み合わせ、具体的な施策を決定するプロセスを指します。

アプローチを考える際には「Product(製品)」「Price(価格)」「Promotion(広告)」「Place(流通)」の4Pから考えましょう。また、顧客の立場から考える時には「Customer Value(顧客価値)」「Cost(コスト)」「Convenience(利便性)」「Communication(対話)」の4Cから検討するとよいでしょう。

実行・評価

実行・評価では、マーケティングミックスで決定した施策を実行し、KPIやKGI
に基づき評価します。

KPIとは、「Key Performance Indicator」の略語です。日本語では「重要業績評価指標」や「重要達成度指標」と呼ばれます。KGIとは、経営・ビジネスの最終目標の達成度合いを測るための定量指標です。具体的には売上高や成約数、利益率などが当てはまります。「Key Goal Indicator」の略語で、日本語では「重要目標達成指標」と訳されます。

ママ向けマーケティングで失敗しないために

ママ世代の特徴として、次のようなものが挙げられます。

  • ・子ども中心の思考
  • ・口コミによる拡散力が強い
  • ・自由に使える時間が少ない
  • ・デジタルネイティブが多い

これらの特徴を持つママに訴求するツールとして注目を集めているのが、SNSです。
SNSの自社アカウントで商品情報を発信したり、SNSを活用したキャンペーン展開をすることで、ママたちに効果的に訴求することができます。

しかし、SNSは、運用担当者にネットリテラシーの理解がないと炎上やブランドのイメージダウンにつながるリスクがあります。運用担当者は、各種SNSの特徴やユーザー層、使い方を事前に理解しておく必要があります。場合によっては、外部に運用を委託してもいいかもしれません。リスクはあるものの、ツールのためにシステムを構築する必要がなく、運用費用もほとんどかからないという手軽さは大きなメリットです。

また、先に述べたようなママインフルエンサーを起用し、PR記事をポストしてもらうことでも、効果的に多くのママに訴求することができます。ママインフルエンサーは、既にフォロワーの心を掴んでいることが多いため、「この人が紹介するなら」と購買活動につながることも多いです。

ママ市場を把握してニーズをつかもう

ここまで、ママがファミリー層の購買意思決定権を持っていることが多いこと、ママ層へのマーケティングは市場とニーズの把握が大事であること、子どもの年齢でターゲット層を分けるべきであることなどがわかりました。
口コミが好きで、時間がなくデジタルネイティブであるママ層への訴求はSNSが効果的であることもわかりました。

SNSは炎上のリスクがある半面、うまく活用すれば低コストで大きな効果を得られる便利なツールです。ママインフルエンサーを起用することでも、購買活動につながります。
ママ市場のニーズを正確に把握し、解決策を打ち出すことによって、売上拡大を目指しましょう。

他にも幼稚園・保育園イベント幼稚園・保育園モニタリングを行っているのでぜひご覧ください。

監修者

株式会社エンジン
代表取締役 常盤 亮太

世の中の原動力となるような会社にしたい。

その想いから社名を「エンジン」と名付けました。
また、人と人の縁を大切にし、仁義を重んじること。
そして、円陣が組めるくらい、そんな人間の集団を創っていくこと。

そんな想いも込めています。

当社では、企業=人という考え方が根底にあります。

世の中の原動力となるような会社は当然ですが素晴らしい企業であり、
素晴らしい企業であれば、素晴らしい人間の集団であると思っています。

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