サンプリングで購買意欲向上?!マーケティングにおける返報性の原理

人間の心理現象の一つである「返報性の原理」は、日常生活のあらゆる場面で見られ、特に義理や恩を大切にする日本文化にも強く影響しています。
人間の行動を左右する返報性の原理は、マーケティング手法に応用できるため、ビジネスにおいても注目度が高いです。

そこで本記事では、返報性の原理の仕組みやビジネスにおいて意識すべきポイント、マーケティングでの応用方法を解説します。
マーケティング戦略の知識を増やしたい方、返報性の原理について詳しく知りたい方は、ぜひ参考にしてください。

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返報性の原理(返報性の法則)とは?

返報性の原理とは、相手から受けた何かしらの施しに対し、自分も同様に返すべきだという感覚を抱く現象です。返報性の原理は、好意・悪意・譲歩・自己開示など、様々な施しに対して働きます。

例えば、相手から笑顔を向けられた場合、自分も自然と笑顔を返そうとしたり、恋愛感情を告白されると相手のことが気になったりするケースが挙げられます。また、誕生日プレゼントをもらった場合、相手の誕生日にもプレゼントをあげる人が多いでしょう。
このような好意の返報性は、日本の年賀状やお歳暮・引出物やご祝儀の文化に通じていると言えます。
一方で、相手から悪口を言われたり横柄な態度をとられたりした場合、自分も同じように接しようとするケースがあります。悪意に対する返報性は、「お返し」ではなく「仕返し」といったネガティブな感情で働く場合が多いです。

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心理上お礼を返したくなる

返報性の原理では、相手の行動に対して「お礼をしたい」と感じさせるごく自然な心理です。相手からのアクションを受けたとき、自分も同じアクションを返したいまたは返さないと申し訳ないと感じます。「お返しの原理」ともいわれ、相手から受け取ったものを自分も返さないといけないと感じる状態です。

例えば、友人から誕生日にプレゼントを貰います。「せっかくプレゼントを貰ったのだから、自分も友人の誕生日になにかをあげたい。貰ったままの状態は、あまりにも申し訳ない。」という気持ちになってしまうのが、返報性の原理です。

ただし、返報性の原理はネガティブな状況にも起こります。相手から悪口を言われたら言い返さないと気が済まなくなったり自分も悪口を言ったりする行為も、返報性の原理に該当します。

一貫性の原理との違いは?

返報性の原理と間違えられやすいのが、一貫性の原理です。一貫性の原理は自分の行動や発言などを一貫したものにしたいという心理です。1時間ランニングすると決めたら天気が悪くても決行したり、面白くない映画やドラマも最後まで見続けたりなどが一貫性の原理に該当します。

一見2つの原理は似た者同士にみえますが、明確な違いがあります。返報性の原理は「相手にお返ししたい」、一貫性の原理では「自分自身に対する一貫性」が重要視される点です。返報性の原理では、対人に対して「お返しがしたい」思いが働きます。一方、一貫性の原理では、「自分の決断に一貫性を持たせたい」という思いが働くのです。

返報性の原理の4分類

    1. 1.好意の返報性
    1. 2.敵意の返報性
    1. 3.譲歩の返報性
    1. 4.自己開示の返報性

返報性の原理は、大きく4種類に分類されます。「相手から何を受け取って何を返すのか」によって分けられており、ポジティブなものからネガティブなものまで幅広いです。

マーケティングで返報性の原理を活用するには、各種類の詳細を把握しておく必要があります。4種類のうち、どれが最も有効であるのかを判断するためにも、各種類の内容を確認しましょう。種類によっては、ビジネスはもちろんプライベートや恋愛面でも活用できます。

1.好意の返報性

好意の返報性は、相手からの好意や親切に対してお返しをしたくなる心理です。相手から優しくされたら優しく返したり、SNSで嬉しいコメントを貰ったらこちらも好意的なコメントをしたくなったりすることに該当します。

好意の返報性は、恋愛シーンに活用可能です。相手に好意を持たれたいと思ったら、まずはこちらから親切なアクションを起こすとお礼・お返しが期待できます。返報性の原理を理解すれば、マーケティングはもちろんプライベートもより充実したものに繋げられる可能性を秘めています。

2.敵意の返報性

敵意の返報性は、相手から敵意や悪意を感じたら同じように敵意で返したくなる心理です。いわゆる、「仕返し行為」です。

返報性の原理は、「好意の返報性」のようにポジティブなものから、「敵意の返報性」のマイナス・ネガティブなものにも働きます。例えば、相手から悪口をいわれたら悪口で言い返したり、叩かれたら叩き返したりすることなどが該当します。

3.譲歩の返報性

譲歩の返報性は、相手が譲ってくれたことに対して自分も譲ってあげたくなる心理作用です。「好意の返報性」と似た心理です。例えば、エレベーターで乗る順番を譲ってくれた相手に対して、降りるタイミングでこちらが譲ってあげる行動などが該当します。

ただ、譲歩の返報性は過度に進みすぎると物事が全く先に進みません。互いにストレスを感じたり負担になったりするので、タイミングを見極める必要があります。

4.自己開示の返報性

自己開示の返報性は、相手がオープンに話してくれるので自分も構えずに心を開いて接しようという心理です。初対面の相手同士では何を話したらいいのか、どこまで伝えていいのかが分かりません。片方がオープンな態度を示して積極的に自分の情報を伝えることで、相手も同程度の情報を伝えてくれることなどが該当します。特に、ビジネスやプライベートの場面で初対面の人と会話する際に活用できます。

ビジネスにおいて意識すべきポイント

ビジネスにおける返報性の原理を考える際、意識すべきポイントは以下の通りです。

先に提供する

返報性の原理は、何らかの施しが生まれることで初めて働きます。
施しを受けた側は「相手に借りがある」感覚で、借りを返したい気持ちで落ち着きません。

ビジネスにおいては、顧客よりも先に何かを提供することで、顧客からの反応を期待できます。

特別感を演出する

相手からの施しに特別感があると、返報性の原理がより強く働きやすいです。
ビジネスにおいても、顧客とのやりとりに特別感を演出することが重要です。

例えば、顧客の誕生日にお祝いメッセージとともにクーポンを送ったり、購入後に他のおすすめ商品の割引や次回利用クーポンを用意したりすることで、顧客は特別扱いされた感覚になります。

マーケティングでの応用方法

では、実際にビジネスにおいて返報性の原理を応用する際の、マーケティングの手法を見ていきましょう。

サンプリング

おすすめ商品や新商品のサンプル配布は、返報性の原理を応用したマーケティング手法の一つです。
サンプルを受け取った顧客は、購入や問い合わせといった形で何らかの「お返し」をしなければならない感覚を抱きます。

幼稚園サンプリングでは、商品やクーポンなどを先生から園児に手渡しで配布します。
保護者に確実に届く上、幼稚園が認めたサンプルであることで、利用へのハードルも低くなるため効果的です。
幼稚園サンプリングについて知りたい方はこちら

試食や試着などの体験サービス

試食や試着などで実際に商品を体験してもらい、接客やアフターフォローを丁寧に行うことで、顧客は大きな施しを受けたように感じます。
商品の魅力を直に味わってもらいつつ、接客の時間に対する「お返し」として購入に結びつけられる可能性が高いです。

マーケティングでの「返報性の原理」活用例とポイント

次に「返報性の原理」をマーケティングで活用した例とポイントを紹介します。マーケティングで「返報性の原理」を活用するのは、非常に効果的です。現場で良い成果を上げられたり物事を有利に進められたりする可能性もあります。

実は、現場のさまざまな場面で「返報性の原理」は活用されています。顧客としてスーパーマーケットや商業施設を利用した際何気なく経験していたことが、実は「返報性の原理」を活用したケースであることに気づくかもしれません。

マーケティングでの「返報性の原理」の具体的な活用例を参考に、今後の活動に繋げていきましょう。

無料の試供品やサービスの提供

無料の試供品やサービスを提供することで、顧客側を「せっかく貰ったから1つくらい買わないと申し訳ない」「貰ってばかりでは落ち着かないので、とりあえず購入してみる」などの心理を誘う仕組みです。

ただし、試供品やサービスを提供しすぎることは控えるようにしてください。過度な行いは、現状が当たり前であると相手側に勘違いさせてしまいます。試供品やサービスの提供を控えた段階で、興味・関心がなくなったり価値を感じなくなったりなど、新規顧客の獲得に繋がらない可能性があるので注意が必要です。

お得感を与える

初回割引券やクーポンを渡して、お得感を演出します。通常の時よりもお得感を演出することで、「せっかくお得になっているから購入してみよう」「次回は定価で購入してもいいかな」などの心理を誘う仕組みです。

お得感を与えられると、相手には特別に良くしてもらった感覚が残ります。あえて特別感を出すことで、「お返しをしてあげないといけない」という心理も芽生えやすいです。

返報性の原理を活用する際の注意点

マーケティングで返報性の原理を活用する方法を紹介しましたが、次に重要な2つの注意点を紹介します。返報性の原理を活用することは、物事を有利に進めるうえで非常に有効的です。

ただ、返報性の原理は活用方法を間違えると逆効果に繋がります。顧客に不信感・不快感を与えてしまい、自社のイメージダウンに繋がる可能性も否定できません。返報性の原理を活用する際は、注意点を抑えて失敗を防ぐことが大切です。

お返しを負担に感じさせない

返報性の原理は、やりすぎると相手に負担を感じさせてしまう恐れがあります。

例えば、相手へ何かお礼をしたいと考えた時にお礼のタイミングを間違えたり過剰なお返しをしてしまったりすると、相手は「自分は何をあげたらいいのだろう」「次回に備えてプレゼントを準備しておかなくちゃ」などと、行為自体を負担に感じさせてしまいます。

マーケティングでは、相手に過度に与えすぎると負担に感じさせるだけでなくお返し目当てと思われてしまう可能性もあります。一方的な行いにならないように、相手側の感情を想像しながら対応することが大切です。

しつこく請求をしない

返報性の原理を活用したマーケティングを行う際は、相手からの見返りをしつこく請求しないようにします。しつこく請求することは相手に不快感・不信感を与えて、継続的な利用には繋がりません。

過度な請求は、クレームやマイナスの口コミ評判にも繋がります。実際、しつこい勧誘や請求に対し不快感があることをSNSに投稿し、該当サービスが炎上したケースも多くあります。顧客にマイナスなイメージを植え付けてしまうので、注意が必要です。

返報性の原理でマーケティングを成功させよう

いかがでしたでしょうか。
今回は心理現象の一つである返報性の原理の仕組みと、ビジネスにおけるポイントやマーケティングでの応用方法について解説しました。
人間の心理を効果的に利用することで、売上向上やブランディングに貢献できます。

他にも幼稚園・保育園イベント幼稚園・保育園モニタリングを行っているのでぜひご覧ください。

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